なごり雪

 参考資料とともに、メッセージを送った。

「晴れた朝、窓を開けると心地よい風が、木々を揺らしています。」

 友人から「こちらは、名残雪です。こんなこともあります。」と返信がある。

 

 北国では、ゴールデンウイークの最中に雪が降る事もあった。懐かしい郷里の思い出は、一気に蘇る。

 羊蹄山の麓に暮らしたことがあった。毅然とした存在感のある山が目の前にそびえて居た。それは時には、自分の前に立ちはだかる様に圧迫感を感じた。

 1898mあるこの山に3度行った。緩やかなコースを職場の人たちと共に5時間かけて登り、山小屋に泊まった。今から思えば、熟練者の庇護があって達成できたのだと思う。誰か同僚が一緒だったはずだとおもうが、しばらくは思い出せなかった。

 9月になってこの山には、雪が降ったというにニュースを聞いた友人が教えてくれたことを思い出した。それで、登山をしたのは8月の上旬だったのだと振り返ることができた。

 彼女は、2歳くらい年下だった。寄宿舎でいつも一緒に食事をしていた。私は、妹の様に感じていた。そんなことを思い出した。

 私は、脳裏に浮かぶ友人たちの幸せを願い、

今、手術後の病床にある人のために祈った。