あーカイヤに幸せになってもらいたい

 友人と数年来、読書会をしている。私が読む小説『ザリガニの鳴くところ』の主人公カイヤは、幼い頃に自然の中に一人取り残された。動物たちである友人に心を育まれて生きた。しかし教育を受けていないため、偏見から窮地に追い込まれて行く。

 長い物語は終盤にさしかかり、読者の心が締め付けられ捉えて行く。

 最後に友人の放った言葉は、「ああ~!カイヤに幸せになってもらいたい!」と、やるせない思いのこもった言葉だった。

 彼女の言葉に、私の心が騒いでいた。