朝のクールな空気が北国の森林のように新鮮だった。
春、氷が溶け出すと小川が流れる。わずかな土が光に温められ、そこには初めに福寿草が咲いた。
庭にはたくさんの木があった。その一本に、クマゲラがトントンと何日もかけて木を削り、丸い入り口のある巣をこしらえた。
注目して見ていたが、親ドリの姿は、一度だけ一瞬しか見られなかった。
初夏にまく種のオーチャドウ、チモシーなど外国の種子の中に、たくさんの花の種が混ざっていた。
夏になると牧場には、見たことの無い不思議な花がたくさん咲いた。
私は、その不思議な花をじっと見つめながら過ごしていた。